院長日記:2013年3月 アーカイブ

望診(神技) (つづき その5)

2013年3月24日 |

さて、今日は久しぶりに望診に関することの続きを述べていきたいと思います。中でも特に「舌診」に関してです。 

望診 (つづき その5)

7.舌診

舌の状態を診察することを舌診といいます。

正常な舌は、大きさや厚さが適当であり、色は淡紅色で鮮明、よく動き適度にしめっており、中央に薄い舌苔があります。

なお、舌苔とは舌の上に付着している苔状のものをいいます。また、舌質(舌体)とは舌の肌肉や脈絡組織をいいます。

主な舌診事項とそれぞれの病は次のとおりです。

(1)舌体の形態

①胖舌・・・舌体が腫れて大きいもの、陽虚

②痩舌・・・舌体がやせて小さく薄いもの、陰虚

(2)舌質の色

①淡紅舌・・・正常な舌色、正常・表証

②淡舌(浅紅舌)・・・正常な舌色より淡泊なもの、陽虚・寒証

③紅舌(鮮紅舌)・・・正常な舌色よりも赤いもの、陰虚・実熱

④深紅舌・・・舌色が深紅色であるもの、陰虚による虚火・熱極

⑤紫舌・・・舌色が紫であるもの、血瘀・寒証

(3)舌苔の色

①白苔・・・正常・表証

②黄苔・・・熱証・裏証

③灰苔・・・裏熱証・寒湿証

④黒苔・・・裏証・熱極・寒盛

(4)舌苔の厚さと性質

①薄苔・・・苔が薄いもの、正常・表証・虚証

②厚苔・・・苔が厚いもの、裏証・実証

③潤苔・・・苔に潤いがあるもの、正常・湿邪

④燥苔・・・苔が乾いているもの、津液の損傷・燥邪

(5)舌の部位と臓腑

舌の各部に臓腑が配当されており、この部の変化により病を判定します。

①舌尖部・・・心・肺

②舌中部・・・脾・胃

③舌辺部・・・肝・胆

④舌根部・・・腎

8.その他の望診

爪・毛髪・大小便や分泌物などの状態も観察することが必要です。また、五根(目・舌・唇・鼻・耳)、五主(筋・血脈・肌肉・皮膚・骨)などにより五臓の病を知ることも重要です。 

春分の日

2013年3月20日 |

今日は春分の日で、「鍼誠堂 鍼灸二宮」は休診日です。少し「春分」について書いてみることにします。

  春分は、1年中で昼と夜が等しくなります。二十四節気の第4にあたります。期間としての意味もあり、この日から次の節気の清明前日までです。西洋占星術では春分を白羊宮(おひつじ座)の始まりとします。

日本では、この日は国民の祝日の「春分の日」となります。春分の日は、国立天文台の算出する定気法による春分日を基にして閣議決定され、前年2月1日に暦要項として官報で告示されます。天文学に基づいて年ごとに決定される国家の祝日は世界的にみても珍しいことです。また、この日をはさんで前後7日間が春の彼岸といいます。

 『暦便覧』に「日天の中を行て昼夜等分の時なり」と記されているとおり、春分では昼夜の長さがほぼ同じになります。しかし、実際には、昼の方が夜よりも長いのです。日本付近では、年により差があり、平均すれば昼が夜よりも約14分長いそうです。

「暑さ寒さも彼岸まで」とよく言われます。確かに最近、あの寒い毎日から春の到来を感じる暖かな日中になってきました。関東地方では、この週末に各所で桜の見頃を迎えるそうです。「鍼誠堂 鍼灸二宮」のすぐ近くの扇町公園でも、ちらほらかわいらしい花が顔を出見せ始めています。季節の変わり目の体調管理には十分注意を払いつつ、「春の到来」を大いに楽しみましょう。

東洋はり医学会 大阪支部 平成25年3月例会

2013年3月17日 |

今日は東洋はり医学会大阪支部3月の定例会でした。新しい聴講生も加わり活気ある定例会となりました。

 

平成25年3月17日(日) 午前9時30分~午後5時

午前9時30分より 綱領唱和、会務報告、3分間スピーチ

午前10時より 基礎講義・臨床講義 [第12章 四診法、2(聞診・問診)]

12時 昼食、休憩

午後1時より  基礎実技・臨床実技(脈診、基本刺鍼、流注確認、証決定)

午後5時 終講

望診(神技) (つづき その4)

2013年3月14日 |

今回も前回に引き続き「望診」について述べていきたいと思います。「望診」に関する事項はもう少し続きます。

望診 (つづき その4)

6.小児の指紋(虎口三関の脉)

指紋とは示指内側に浮かび出る脈絡のことです。これは手の太陰肺経の一分枝であり、この部の望診は寸口部(橈骨動脈拍動部)の脈診と臨床上同じような意義を持っています。小児は脈がとりにくいため、特に3歳以下の子供では、指紋の変化が診断上重要な意義を持っています。

指紋は風・気・命の三関に分かれ、基節のものを風関、中節のものを気関、末節のものを命関といいます。

指紋の観察は主として色艶・長短・浮沈の3方面から行います。

①色艶・・・一般的に色の淡いものは虚証、黒いものは実証です。

②長短・・・指紋が風関にあるものは邪気が浅く病は軽いですが、命関に達しているものは重症です。

③浮沈・・・指紋がはっきりと表面に現われている場合は病は表にあり、深く隠れてはっきりしない場合は病は裏にあります。

望診(神技) (つづき その3)

2013年3月10日 |

今回も、前回に引き続き「望診」について述べていきたいと思います。

望診(つづき その3)

4.顔面の状態

顔色が鮮明で艶があれば病は軽く予後はよいですが、顔色が悪くやつれていれば病は重く予後は悪いです。

『素問』:刺熱論篇では、顔面の各部に五臓が配当されており、この変化により五臓の病を判定します。

①肝・・・左頬

②心・・・額

③脾・・・鼻の部

④肺・・・右頬

⑤腎・・・おとがい

経絡の病証からみると、顔が赤いのは心包経、顔が墨のように黒いのは腎経、顔が汚れて汚いのは肝経、顔が黒ずんで度々あくびをする、口が歪み唇が爛れて瘡ができるのは胃経、頬が腫れるのは小腸経の病です。

5.姿勢

動くのが好きな人は陽証、静かにしているのが好きな人は陰証です。

また、熱証では手足を伸ばし、寒証では身を縮めるなど、病により姿勢の変化がみられます。

望診(神技) (つづき その2)

2013年3月 6日 |

前回に引き続き、今日も「望診」について述べていきたいと思います。

望診 (つづき その2)

2.栄養状態と体型

発育が良好で、血色が良く、皮膚に潤いのあるものは強壮であり、発育が悪く、やせており、血色が悪く皮膚に艶がないものは虚弱であります。

3.皮膚の色(五色)

内経系の医学では、五色によって五臓の病を、また、その色の光沢の有無によって予後を判定します。この診察は主に顔面や前腕(尺沢穴~孔最穴のあたり)で行います。

【五色と予後の判定】

五色 五臓 予後良 予後不良
翡翠(ひすい) 草のしぼり汁
鶏の鶏冠 古血
蟹の腹 からたちの実
豚の脂 枯れた骨
烏の羽 煤(すす)

具体的な症状と皮膚の色との関係では、黒っぽいときはしびれ、黄赤色では熱、白っぽいときは寒があると考えられます。

また、皮膚や爪、口唇、舌などが暗紫赤色のものは瘀血証であります。

四診法 望診

2013年3月 2日 |

昨日は東洋医学的な診察法の概要について述べてきました。今日はそのなかで「望診」について述べていきたいと思います。

望診(神技)

望診は、診者の視覚によって患者を診察する方法です。

主な望診事項とその意義は次のとおりです。

1.神

神の診察とは、精神・意識状態や動作・反応の状態を診察することであり、これにより気血の盛衰や予後の判断を行います。眼は心の使い、肝の竅であり、脳に通じているため、神の診察に当たっては、眼の変化を観察することが重要です。

①得神(有神)・・・眼が輝いていきいきしており、精神・言語もはっきりしている状態のことをいいます。正気が損傷されておらず予後は良好です。

②失神(無神)・・・瞳に正気がなく、精神状態は振るわず、呼吸は弱いです。激しい場合は意識が混迷します。正気が損傷されており、予後は不良です。

③仮神・・・意識がはっきりしていないものが急にはっきりとしたり、話したがらず声が途切れ途切れだったものが急に話し出して止まらなくなったりする状態のことをいいます。重症患者で正気が極度に衰弱している状態でみられ、陰陽が離れようとしているときの現象です。

診察法の概要

2013年3月 1日 |

いよいよ3月に入りましたね。暖かくなったり、寒さが戻ってきてしまったり・・・暖かい本格的な春の到来が待ち遠しいところですね。

さて、昨年11月にこのホームページの「院長日記」を書き始めて以来、東洋医学的な事柄に関しては、「東洋医学の基礎理論・生理観・疾病観」について主に述べてきました。今日からは新たに東洋医学的な「診断論」について述べていくことにします。

診察法の概要

東洋医学における診断は証の決定です。従って東洋医学の各種診断法は、このためのさまざまなデータを得るために行います。

診察法の種類には次の4つがあり、合わせて四診といわれます。

望診・・・患者をながめて診察する方法(神技)。舌・五色などを診ます。西洋医学の視診に当たります。

聞診・・・患者の発する音を聞いたり臭いを嗅いだりして診察する方法(聖技)。五音・五声・五香などを診ます。一部は西洋医学の聴診に当たります。

問診・・・患者の訴えを問い尋ねて診察する方法(工技)。寒熱・二便・五味などを問います。西洋医学の問診に当たります。

切診・・・患者に直接触れて診察する方法(巧技)。脈診・腹診・候背診・切経などがあります。西洋医学の触診に当たります。

診者はこの四つの方法により患者をさまざまな角度から診察し、得られた事柄を総合して証を決定します。

前述のように、西洋医学の診察法と対応させると、望診は視診、聞診の一部は聴診、問診は問診、切診は触診となりますが、症状の捉え方が異なっており、混同しないようにしなければなりません。

1

〒530-0024 大阪市北区山崎町1-12 ラピタ扇町601

TEL:06-6365-1971

JR大阪環状線「天満駅」、地下鉄堺筋線「扇町駅」2-B出口より徒歩3分

Copyright© 鍼誠堂 鍼灸二宮 All Rights Reserved. Google+